こんにちは
人生100年時代、健やかに動き続けるための身体を共創する
Physio Pilates (フィジオピラティス)文京本郷の副代表 伊牟田真樹です
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今回のテーマは“体幹の硬さ”を調整する術を身につける!です。
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体幹が弱いと言われるのだけど、体幹が安定しているってどうゆうこと?
それもよくある疑問の一つだね。“体幹(たいかん)”って言葉はだいぶ浸透してきたと思うのだけど、“体幹の安定性について”まではまだまだ理解が難しいところがあるよね。今日は出来るだけ簡単に説明していきますね。
100年美味しくご飯を食べ続けるために、学んでいきましょう!
1. “体幹の安定”とは!?
“安定”と言葉を考えた時に、皆さんはどんな状態を“安定”と考えるでしょうか?
例えば、今この記事を読んでくださっているあなた。
椅子に座った状態で読んでくださっている方もいれば、電車で立った状態で読んでくださっている方もいるかと思います。
今のあなたの状態は、その場に留まっていられているので、“安定している状態“と言えるわけですよね。
何が言いたいかというと、体幹において“安定”という言葉は“安定しているか”“安定していないか”のYes か Noでしか表現することが出来ず、“強い”と“弱い”も同様の表現ですが、気をつけて言葉を使用していかないと、誤った認識を与える可能性もあるため“適切な解釈が必要となる”ということです。
2. 体幹の“硬さ”を自在に調整することが重要
ここからは“安定”という言葉に変わり“硬さ”と表現します。
例えば、寝ていてリラックスしている状態を“硬さ0”、あなたが最大の力を発揮して体を全力で強くしている状態を”硬さ100”とします。ここで重要となるのは、“硬さ”というのは0から100までの変数であり、この変化する数値を調整する能力が重要となるということです。
あなたが携帯電話を持ち上げる時の体幹の硬さはどのくらいの数値ですか?
→私なら6くらいでしょうか?
あなたが洗濯物の入ったカゴを持ち上げる時の体幹の硬さはどのくらいの数値ですか?
→重さにもよりますが25くらいでしょうか?
あなたがくしゃみをする瞬間に必要な体幹の硬さはどのくらいの数値ですか?
→大小あると思いますが、平均して40くらい?
そうです。
重要となるのは、体幹が“安定しているか“ではなく、その時に必要な分の体幹の硬さを瞬時に準備することが可能かどうか、なのです。
3. 長年腰痛に悩まされている方は硬さの調整能力が苦手になっている
腰痛の方は体幹を硬くすることが苦手になっているのではなく、硬さを調整することが苦手になっていると報告されています。
例えば、先に挙げた洗濯物の入ったカゴを持ち上げる場合、
私たちは、「このくらいの重さだろう」と予測を立てて、事前に深い部分の筋肉が働き(これは無意識のうちに行われています)、体幹の硬さを調整する準備をし、スムースにカゴを持ち上げることが出来ます。
しかし、腰痛の方は、この事前に筋肉を準備する能力が落ちており、深い部分の筋肉が働くタイミングが遅れていると報告されています。深い部分の筋肉が事前に働いたうえで瞬時に硬さを調整することが出来ず、椎間板などに負担をかけてしまう可能性が考えられます。
一方、繰り返す腰痛を常に恐れている方は、そういったことにならないよう常に体幹を“過度に硬くしてしまっている”状態にあるのです。全体の筋肉を常に硬くすることで体幹を守ろうとする防御反応でもあるのですが、その状態が長期化することは望ましくありません。
もし、あなたがまさに今日、ぎっくり腰を発症し、痛くてたまらない場合に体の筋肉を硬めて腰を守る戦略をとるのは正解です。
しかし、回復のための適切な対応をとれず、誤った知識や恐怖心でこの戦略が長期化してしまうと、“体幹を常に硬い状態にする”ということが日常となってしまい、はじめのぎっくり腰とは別の理由で腰痛症状を引き起こしてしまいます。
このような場合、マッサージなどで硬さをほぐしてあげることは短期的には効果的かもしれませんが、長期的にみると問題解決には至らないケースが多いです。
いずれにしても、腰痛で悩まされている方の問題は、“体幹を硬められていないこと(筋力がないこと)”ではなく、“体幹の硬さを上手く調整することが出来ていないこと“なのです。
4. 体幹の硬さを調整する能力を高めていきましょう
では、どのように体幹の硬さを調整する術を身につけていけば良いのでしょうか。
大切なのは、様々な課題を通して体の筋肉・関節を操れるようにすることです。
この課題にはどのくらいの体幹の硬さが必要なのかな?
この課題は背骨のしなやかさを意識しながら筋肉を使わないといけないな。
この課題はどの筋肉や関節をどのように動かしているか分からないけど楽しいな。
(しかし、続けていくと筋肉や関節の動きがよく分かるようになります!)
そんな事を感じながら、そして頭で少しだけ考えながら動いてみましょう。
そうして、少しの時間集中して動いていくと、筋肉や関節の使い方のバリエーションが広がり、“体幹の硬さ”を無意識に調整することが可能になっていくのです。
我々フィジオピラティスは、多くの方が健やかに活動し続けられる社会を目指して、引き続き適切な情報を発信し続けてまいります。
5. インスタグラムで色々なエクササイズを解説しています
インスタグラムでエクササイズのポイントを説明していますので、ぜひ参考にしてください。
①プランクの正しいやり方 https://x.gd/1xcVD
②背中で綺麗なカーブを作る https://x.gd/ZTMgO
③-股関節から腰痛を治す- 正しいスクワット https://x.gd/eLfxt
6. 合わせて読んでいただきたいブログ記事
◉椎間板を守りましょう https://www.physio-pilates.jp/post/20240522
◉腰痛と動きの成功体験 https://www.physio-pilates.jp/post/20240527
この記事を書くために参考にした文献はこちら
1) Hodges, P.W., Changes in motor planning of feedforward postural responses of the trunk muscles in low back pain. Exp Brain Res.2001; 261-266.
2) Jacobs, J.V., People with chronic low back pain exhibit decreased variability in the timing of their anticipatory postural adjustments. Behav Neurosci.2009; 123, 455-458
3) Moseley, G.L., Hodges, P.W. Are the changes in postural control associated with low back pain caused by pain interference? Clin J Pain.2005; 323-329.
4) Hodges, P. Changes in the mechanical properties of the trunk in law back pain may be associated with recurrence. J Biomech.2009; 42, 61-66
5) van Dieen, J.H. Trunk muscle activation in low-back pain patients, an analysis of the literature. J Electromyogr Kinesiol.2003; 333-351.
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