こんにちは
人生100年時代、健やかに動き続けるための身体を共創する
Physio Pilates (フィジオピラティス) 文京本郷の副代表 伊牟田です。
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今回のテーマは、"胸の“提灯”を広げて空気をとりこみましょう"です。
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胸の提灯(ちょうちん)って、どこにあるの?
胸の提灯は肺のことだよ。肺と提灯の構はとよく似ているんだ。
100年健やかでいられる身体でいるために、学んでいきましょう!
胸の“提灯”を広げて空気をとりこみましょう
1日で約2万回も行う呼吸。
この呼吸の質を高めることは、生活の質を高めることに繋がります。
皆さんは呼吸のメカニズムについての理科の実験を覚えていますか?
上の図の装置、見覚えがありますよね。
横隔膜(おうかくまく)部分の①を下に引くことで、②部分が陰圧となり、人の鼻・口にあたる③部分から空気が入り込んで、肺にあたる風船が膨らむ、という装置です。
ここでポイントとなるのは、“②部分を陰圧にする”ということです。
この部分のスペースを広げて陰圧にすることが、頑張らずに空気を取り込みやすくするポイントなのです。
1. 肺を取り囲む胸郭はまるで提灯
私たちの体でいうこの装置部分は、胸郭(きょうかく)と呼ばれる肋骨に囲まれた構造で、②のスペースを胸腔(きょうくう)といいます。
この胸腔のスペースを陰圧にするために重要なのが横隔膜なのですが、実はそれだけではありません。
肋骨と肋骨の間に肋間筋(ろっかんきん)という筋肉が外肋間筋と内肋間筋の2種類あり、これらが適切に伸び縮みすることによって、肋骨が蛇腹のように広がったり閉じたりし、そうすることによって胸腔内の圧が調整され、空気の出し入れが行いやすくなる、まるで提灯のような構造をしているのです。
この提灯の骨組み(肋骨)をしなやかに動かすために、横隔膜や肋間筋を適切に伸び縮みさせることで、提灯が大きく広がり、中を陰圧にしてくれることで、頑張らずに空気が肺の中に取り込める、ということなのですね。
2.適切に管理しないと提灯は硬くなる
肋骨と肋骨の間にある肋間筋ですが、外肋間筋は息を吸うときに縮みながら働き、内肋間筋は息を吐く時に縮みながら使われます。
よって日頃デスクワークが中心で呼吸が浅かったり、運動が不足している場合、この肋間筋の伸び縮みの幅が小さくなり、提灯の蛇腹が硬くなってしまいます。
そして、そのように硬く縮んだ状態の提灯の場合、中の空間を陰圧にすることが出来ず、楽に空気を取り込むことが難しくなるのです。
そうすると頑張って空気を取り込もうと多くの筋肉を使ってしまうので、慢性的な筋肉の疲労状態につながってしまうわけです。
3. 日頃から肋間筋を大きく収縮させましょう
呼吸が浅く、肋間筋のを使用する幅が小さいと提灯が硬くなってしまうため、日頃から肋間筋を適切に収縮させて、胸腔のスペースを陰圧に出来るよう、椅子に座ってできるトレーニングを毎日行いましょう。
①胸の横を伸ばした状態で肋間筋を収縮させる
下の写真のような姿勢をキープしたまま深い呼吸を2-3回繰り返します。
これを左右行います。
②上半身を捻った状態で肋間筋を収縮させる
下の写真のような姿勢をキープしたまま深い呼吸を2-3回繰り返します。
これを左右行います。
③胸の前のを広げた状態で肋間筋を収縮させる
胸を天井に向ける意識でキープしたまま深い呼吸を2-3回繰り返します。
④胸の後ろを広げた状態で肋間筋を収縮させる
胸を床に向ける意識でキープしたまま呼吸を2-3回繰り返します。
以上の①〜④の肋間筋エクササイズは日頃からデスクワーク中心の方でも座りながら簡便に行えるものです。取れるお時間に合わせて、2-3セットを目安に行いましょう。
はじめにも述べましたが、呼吸の質を向上させることは、生活の質を向上させることに繋がります。日頃から胸の“提灯”を広げられるようにして、効率よく空気を取り込めるようにしていきましょう。
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