こんにちは
人生100年時代、健やかに動き続けるための身体を共創する
Physio Pilates (フィジオピラティス) 文京本郷の副代表 伊牟田です。
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今回のテーマは、"胸を張って座るとインナーマッスルは働かない !?"です。
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僕は座る時に胸を張るよ! ダメなの?!
「腰痛を予防するためにいい姿勢を意識しましょう。」これは皆さん知っていることですし、意識されていると思います。小学生の時もよく、“背筋を伸ばして胸を張りましょう”と指導されたと思います。ですが、皆さんが良かれと思って行っている“良い姿勢”では、インナーマッスルが働かずに腰痛を引き起こす原因となっている可能性があるのです。
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100年歩き続けられる身体でいるために、学んでいきましょう!
1. 座る姿勢と筋肉の活動に関する興味深い研究報告
されてきています。しかし“お腹より上の環境”に言及されることは少ないですよね。
3パターンの座っている姿勢の際の筋肉の活動の差を比べた、興味深い報告があります。
3つの座っている姿勢の比較
①骨盤は立てて上半身はリラックスの姿勢(写真1)
②骨盤を立てて、胸を張っている姿勢(写真2)
③猫背の姿勢 (写真3)
この3つの姿勢の時の筋肉の働きを比べたところ、②骨盤を立てて胸を張った座り姿勢は①骨盤を立てて上半身をリラックスさせている姿勢に比べて、腰を支える多裂筋というインナーマッスルの働きの活動が③猫背の姿勢と同様に低下していたというのです。
一方、下の肋骨から上の肋骨につながる胸腸肋筋(きょうちょうろくきん)という筋肉の活動が高くなっていました。この胸腸肋筋は身体の表層に位置するグローバル筋(アウターマッスル)であり、身体を強く固めることは出来るのですが、疲労しやすく背骨を圧縮する負荷が大きいという特性があります。この胸腸肋筋の働きすぎが胸腰筋膜(きょうようきんまく)と関連し、多裂筋の活動低下に関与していると考察されています。
↓興味がある方はこちらの文献をご参照ください↓
藤谷 亮, 姿勢が股関節筋、及び体幹筋の筋制御に与える影響. 2018.
2.体幹を無理なく支えるために必要な“胸の丸み”
今までの話を聞くと、“上半身をリラックスさせた姿勢の基準”が気になりますよね。
この基準は座って背中を壁(利用出来る壁がなければ写真のように棒でも大丈夫です)につけた際に、お尻(仙骨)・肩甲骨の内側・後頭部の3点がつき、胸に“やわらかな丸み”がある姿勢です。
また股関節にゆとりを持って座ることで、上半身も楽な姿勢で保ちやすくなります。
↓適切な座り方のために合わせてこちらの記事も読んでください。↓
3. 自宅で出来るエクササイズ
この“適度な胸の丸み”を作るためには、肋骨で囲まれた胸郭のしなやかな柔軟性と、その土台となるお腹周りの安定性が必要となります。
適切な胸の丸みを作るために、以下のエクササイズを行なっていきましょう。
①上手く息を吐くためのクランチエクササイズ
②前鋸筋トレーニングで肩甲骨の安定性を高める
③反り腰にならないためのブリッジングエクササイズ
④背骨のしなやかなカーブを作る座ったまま出来るエクササイズ
上記のエクササイズを無理なく行うことで適切な“胸のやわらかな丸み”を作ることができます。ぜひ行なってみてください。
4. 最後に
“いい姿勢でいよう”と誰しもが思うものだと思います。しかし、その意識によって時に過剰な筋肉の働きが生じてしまっていたり、必要なインナーマッスルの働きを抑制してしまうことがあるのは、とてももったいないことです。
適切なトレーニングで身体を良い状態に保ち、適切な環境で作業を行なっていきながら、まさに“肩肘張らずに”適切な姿勢を意識していきましょう!
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