こんにちは。
身体機能の「なるほど!」を届けたい
フィジオピラティス代表の増渕です。
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今回のテーマは”腰首への負担の少ない座り方のコツ”です
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増渕先生、座り方を変えると首や肩の負担が減るの?
そうなんだ。毎日行う座るという動作だからこそ、腰首への負担は減らしたいよね
首肩の凝りや痛みは辛いもんね!
辛いよね。フィジオでは「痛みのない身体」を大切にしているから、今回のテーマもみんなに学んでほしいと思っているんだ
100年歩き続けるために、座り方について学ぼう!
早速、座り方のコツ=ポイントを3つ紹介します。
① 高めの椅子にすわり、股関節を曲げすぎない(角度は70度程度が理想)
② パッド等を腰に入れ、ダイレクトに腰の反り(生理的前弯)をサポートしてもらう
③ 椅子の高さに合わせて机の高さを調整する
追って解説していきますね。
1. 私もヘルニアを克服しました
皆さん、座る時間は一日平均どれくらいでしょうか?
2020年に発表された国民健康・栄養調査によると、20歳以上の日本人の1日の平均座位時間は約7時間から8時間程度だそうです。
特に、デスクワークをする人や高齢者は、座位時間がさらに長くなる傾向があります。
私も事務仕事が多くなる時は、座る時間が長くなり、これを書いている今も椅子に座っていますが、実は座り方にかなり工夫を凝らしております!
何故かと言うと、実は数年前、腰痛改善&予防に関する書籍の執筆依頼の締切が3冊重なった時があり、一日11時間以上、座って集中して本を読んだり書いたりしておりました。そして、それを数ヶ月繰り返していたら腰椎椎間板ヘルニアになりました。その時に読んでいた腰痛研究の世界的権威のMcGill先生の教科書には、「効果的に腰のヘルニアを作るには腰を繰り返し曲げることである」と書いてありました。「やっぱり曲げる習慣でヘルニアになるんだ〜^^;」と実感した次第です。
しかし、転んでもただでは起きません! その後は、教科書どおり腰椎椎間板ヘルニア改善の理論と実践を行い、しっかりヘルニアを克服してきたので、(最初からやれよ!と聞こえてきそうですが)私の身体での気付きをプラスした良い座り方についてお伝えします。
2. ”座る”と”腰への負担”の関係性
まず、座る姿勢の腰へのストレスを計測した研究があります。1976年の研究で運動学の教科書でとても有名な表です。
立った姿勢の腰(椎間板)に加わる圧ストレスを100%とした際に、椅子に座った姿勢では140%へ増加。身体を猫背にした座り方だと、なんと185%にアップします。
猫背の座位姿勢は、背骨や靭帯で体を支える割合が増えます。そのため筋肉の活動が減少し、楽と言えば楽なのですが、首や腰の一部の骨や靭帯や関節に負担が集中するため、その部位が痛みやすくなります。また、内臓のスペースが減少し、消化機能も減少します。肋骨の動きも制限を受けるので呼吸も浅くなり、自律神経にも悪影響を及ぼします。
3. 腰の負担を軽減する座り方の3つのポイント
次は「腰首への負担の少ない良い座り姿勢」についてです。一般的にはこのように示されていることが多いと思います。
しかし、この座り方、背骨的には緩やかなS字カーブでGoodですが、実は股関節の周囲の筋肉の負担は大きく、疲れやすい座り方となります。
理由としては、股関節を70度以上曲げていくと、一般的に骨盤は後ろに傾く力が増えるからです。つまり、一般的に良い姿勢と言われる股関節90度のこの座り方は、骨盤が後ろに傾かないように、股関節を曲げる筋肉(腸腰筋など)と腰の反りを保つ筋肉(多裂筋や脊柱起立筋など)を過剰に働かせる必要があるのです。結果的に疲労により早く楽な姿勢=猫背になりたい!となってしまいます。
よって、ポイント①
高めの椅子に座って股関節の曲がりを70度程度になるように座面の高さや座る位置を調整し、最小限の力で骨盤を立ていく。当スタジオのインスタでポイント①をうまく実践できるための動画を上げてます。よかったらご覧ください!
また、座面が前に傾いている椅子や、前への傾きをパッドで作るやり方もあります。
ポイント②
市販のバッグレストやクッション等を使用し、腰の反りをダイレクトにサポートしてもらいます。
こちらは私の自宅の椅子二つと車の運転席ですが、腰の反りのカーブをダイレクトにサポートしてもらえるグッズを入れてます。長時間座っていても腰へ負担と骨盤周りの疲労が最小限に抑えられます。電車の座席も深く座り、腰のサポートを有効にもらえるように工夫します。
ポイント③
椅子の高さを上げた分、手の作業や頭の傾きが楽になる位置まで、机の高さも上げる。私の自宅では机の足の下に使わなくなった積み木を重ねて高さを調整してます。また、以前の職場ではワンタッチで机の高さを変えられる机を愛用しておりました。
以上、「腰首への負担の少ない座り方のコツ」について、座り方と環境設定の工夫を中心に解説してきました。
4.まとめ
しかし、たとえ負担が少ない良い姿勢であっても長時間同じ姿勢でいると、凝り固まってしまうことは言うまでもありません。負担の少ない良い姿勢を実践継続するのですが、20-30分の中で、座り方をある程度変えて、またhomeに戻ってくることも大事です。
また、やはり良い姿勢を保持するためには腹筋や背筋の持久力が必要となります。腹筋や背筋の持久力を鍛えるエクササイズや凝り固まった筋肉に対してのストレッチが必要です。
座位時間が長い人ほど、リセットを目的とした全身運動の機会を作りましょう!今後、座位姿勢からのリセット体操のコツもお伝えします^^
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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