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  • 執筆者の写真: 伊牟田インストラクター
    伊牟田インストラクター
  • 9月18日
  • 読了時間: 9分

更新日:9月21日

こんにちは!  

Physio Pilates (フィジオピラティス) 文京本郷です。



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今回のテーマは、"健康寿命を10年延ばす戦略"です


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先生、僕は痛いのが嫌いだし、犬なのでたくさん走りたいです! 健康寿命をのばして、ずっと元気に走り回りたいです



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そうだよね、みんなそう思っていると思う。だから今日は、”今”からできる大切なことをお話するよ




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100年健やかでいられる身体でいるために、学んでいきましょう!


「人生100年を自分の足で生きぬく」-- これは多くの方が描く理想の姿です。ですが、80歳、90歳、ましてや100歳の時の自分の状態というのは、なかなか想像がつかないものです。もちろん私にも想像ができません。


ですが、歳を重ねるにつれて、どのような問題が起こってくるのか、さまざまな事を事前に知っておくことで、適切な対策をすることが可能になります。まさに“戦略的に歳を重ねる“ということです。起こりうる問題をどのように予防するのか、またすでに起こっている事象に対してはどのように対応するのか、その時その時に必要な行動を起こせるよう戦略を立てるのです。


今回は、筋肉・骨・体力の劣化によって起こるサルコペニア・ロコモティブシンドローム・フレイルの3つを分かりやすくまとめ、歳を重ねるごとにどのような問題が起こりやすいのかを事前に知り、これを読んだ“”から、どのような行動を起こせばよいのか、一緒に考えていきましょう。




1. 健康寿命と平均寿命の差を埋めることが「人生の質」を守る


ご存知の方も多いと思いますが、日本人の平均寿命は男性81歳、女性87歳前後と、世界トップクラスです。いや、トップです(2025年時点)。ですが、たびたびテレビなどでも取り上げられますが、「元気で自立して生活できる期間(健康寿命)」は、それより約10年も短いのです。


単純計算となりますが、この差の10年間、この差を縮められたら、最期まで自分の足で歩き、好きなことを楽しむ人生が送れます。

その鍵となるのが、筋肉・骨・体力の劣化を防ぐこと。特に「サルコペニア」「ロコモティブシンドローム」「フレイル」は、健康寿命を縮める三大要因です。




2. 健康寿命を縮める三大キーワードをよく知る


これを読んでくださっている皆さんの中には、「サルコペニア」「ロコモティブシンドローム」「フレイル」というワードを耳にしたことがある方も多いのではないのでしょうか。ただ、これらのワードは断片的に知るだけでは適切ではありません。それぞれに似た要素があり、人生の時系列でも関係するので、包括的に理解する必要があるのです。まずはそれぞれのワードについて簡単に理解しましょう。



① サルコペニア

“さるこぺにあ” 日本人には耳馴染みのない言葉ではありますが、これはギリシャ語で「筋肉」を意味する「サルコ(sarco)」と「喪失」を意味する「ペニア(penia)」組み合わせた造語のようです。

これは、加齢や不活動によって筋肉の量と筋力が低下した状態のことです。つまりは【筋肉の“量”と“質”が低下した状態】ということですね。


“筋肉が低下した状態”と言われてもなかなか実感がなく、自分では気づくことができないものです。


例えば、生活の中で「ペットボトルのキャップが開けづらくなった」「階段の上り下りがつらい」または「横断歩道が青信号のうちに渡るのが大変」と感じるようになったら、筋肉の量や質の低下を疑っても良いでしょう。サルコペニアを評価する指標には、次のようなものがあります。


1) 歩行速度:6メートルの通常歩行で1.0m/秒未満

2) 握力:男性28kg未満、女性18kg未満

3) SMI(骨格筋指数):男性7.0kg/㎡未満、女性5.7kg/㎡未満


歩く速度や握力は、比較的若い世代では違和感を感じることが少ないと思います。

ですが、SMI(骨格筋指数)とは、骨格筋量を身長2で補正した指数で、“身長の大きさを考慮した筋肉量”のことで、若い世代でも基準値を下回っていることがあります。


私たちのスタジオでは、InBody380を用いてSMIを測定し、筋肉の“量”の変化を客観的に評価します。そのうえで、筋肉と動きの“質”を高めるプログラムに繋げています。



② ロコモティブシンドローム(ロコモ)

2007年に日本整形外科学会によって提唱された、こちらの通称「ロコモ」。だいぶ認知度が上がってきたのではないでしょうか。


これは、「ロコモティブ=運動器」「シンドローム=症候群」の組み合わせで、サルコペニア、骨粗鬆症、変形性膝関節症、脊柱管狭窄症など、複数の要因を含み、「移動する機能が低下した状態」のことを定義します。


つまりは、筋肉や骨の“量的”な要素に加え、姿勢や体の動かし方といった“質的”な要素が主に含まれている、ということです。


“片脚立ちでフラフラする”“小さな段差につまずきやすい”など、自分のイメージと実際の動きに差を感じ始めたら、「隠れロコモ」かもしれません。


自分のイメージと実際の動きの差を埋めて、移動する能力を向上させるためには、まずは“自分が普段どんな姿勢をとっているのか”“どんな動き方をしているのか”を知り、適切なエクササイズを通して、筋肉の動きを司る“神経”をトレーニングしていくことが重要です。


そうすることで、“個々の筋肉と体全体の使い方の質”の両方を鍛え、自分のイメージと実際の動きの差を埋めていき、生活の中での移動する能力の低下を防ぐだけでなく、快適な動きへ繋がっていくのです。



③ フレイル

英語の「Frailty (フレイルティ)」が語源となっているフレイル。日本語に訳すと「虚弱」「老衰」「脆弱」となります。


日本語に訳すと少し怖いので、“フレイル”の呼び名がいいですね。


フレイルとは、加齢に伴って心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下し、生活機能が弱まった状態を指します。特徴的なのは、身体的な側面だけでなく、心理的・社会的な側面も含んでいる点です。複数の病気を抱えることも影響しやすく、放置すると要介護につながるリスクがあります。

しかし一方で、フレイルは「老化=不可逆」ではなく、適切な運動・栄養・社会的な支援によって改善・維持が可能で、“病気”ではなく“状態”ということなのです。よって、早めに気づき、正しく対策すれば元気を取り戻せる“可逆的な段階”といえます。


つまり、フレイルとはサルコペニア(筋肉の量と質)やロコモティブシンドローム(筋肉や骨の量+動きの質)の低下に加え、それらに伴う不活動による精神的・社会的な側面も含むということです。


簡単にまとめると、

サルコペニアは、量や質の低下という“筋肉に特化した”概念

ロコモは、筋肉だけでなく、関節・骨など“体全体の動かす能力”の概念

フレイルは、身体の衰えから始まる“心身の脆弱性”の概念

ということになります。


人間誰しも老いに抗うことは出来ません。

ですが、事前に適切な対策をとることで、“質よく老いる”ことが出来て、“どう老いるか”を選択出来るのではないかと考えます。




3. 筋肉のために、今日からできる3つの一歩


何から始めたら良いか分からない。そんな方は、まずは日々の生活の中に、“筋肉のために出来ること”を取り入れてみましょう。体に意識を向けて、日々の行動を変える一歩を踏み出すことが重要です。


  1. 踵上げの運動を取り入れる

ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を鍛える運動です。段差や壁につかまって立ち、つま先立ちをするように踵を上げ下げします。10~15回を1セットとして、1日2~3セット行うのが目安です。


ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、血流を心臓に戻すポンプの役割も担っています。転倒予防や冷えの改善にもつながるので、テレビを見ながら・歯磨きしながらでも取り入れられる“ながら運動”としておすすめです。



  1. エスカレーターではなく階段を使う

階段を上る動作は、太ももの大きな筋肉(大腿四頭筋やハムストリングス)を自然に鍛えられます。普段は無意識にエスカレーターを選んでいる方も、「2階分だけ」「下りはエスカレーター、上りは階段」といった小さな工夫をしてみましょう。


階段を昇る際は、スマホを見たりして下を向いていると全身の筋肉がうまく使えません。前を向いて、背を伸ばした状態で昇るように心がけましょう!



  1. 1日10分だけ早歩きをしてみる

普通の散歩よりも少し速めに歩くことで、心拍数が上がり、筋肉だけでなく心肺機能の刺激にもなります。10分をまとめて取るのが難しければ、「駅まで」「スーパーまで」など生活の移動時間を“早歩きタイム”に変えてみましょう。


早く歩くためには背を伸ばして、地面に踵から接地しなくてはいけません。

つまり、綺麗な歩き方を身につけるためにも適しているのです!



4. ピラティスで変える「体」「心」そして「精神」


皆さんは“ピラティス”が人の名前であるのはご存知ですか?しかも男性なのです。

ピラティスはNHKでも取り上げられたこともあるので、名前は耳にされた事がある方も多いと思います。そんなピラティスですが、いったい何を鍛えるエクササイズなのでしょうか?


柔軟性が上がる?


痩せる?


もちろんそれらを目的に行うこともできます。

ですが、一番の目的はそこではありません。


一番の目的は、“自分の体を思い通りに動かす能力を高める”事です。

頭(脳)と筋肉をつなぐ神経の配線を鍛え、その筋肉で関節を思い通りに扱い、その結果、可動範囲が広がることで柔軟性も向上していきます。

その結果、動きやすくなって活動量も増え、体重も適正に落ち着きます。(もちろん、そのためには食事も重要です。) 


そして、こうした体の変化は心にもつながっていきます。

体が思い通りに扱えるようになると、漠然とした不安が減り、心も落ち着いていくのです。

「長い距離を歩いても疲れにくくなった」「階段が楽に上れるようになった」—— そんな小さな成功体験を積み重ねることが、自信につながります。

その積み重ねが “自分で何でも出来る” という感覚を育み、歳を重ねても心身を健やかに保つことにつながるのです。



健康寿命を10年伸ばす戦略 —— その鍵は、

  1. 筋肉の量と質を落とさないこと

  2. 体を思い通りに動かせること

  3. “自分でできる”という自信を育むこと

この3つを意識することにあるのです。


まずは、これを読んだ“今”から、小さな一歩を踏み出してみましょう。

踵上げの運動を1セット、階段を1フロア分 — その小さな一歩の積み重ねが、健康寿命を伸ばし、人生の質を守ります。


もし、「一人では続けにくい」「正しい方法で取り組みたい」と思った時は、私たちへご相談ください。理学療法士が適切に状態を評価して、あなたに最適なピラティスプログラムを提供し、心身ともに“あなたらしく歳を重ねる”ためのサポートをいたします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!



参考文献

1) 厚生労働省. 健康寿命の現状. 


2) Chen LK, Woo J, Assantachai P, et al. Asian Working Group for Sarcopenia: 2019 Consensus Update. J Am Med Dir Assoc. 2020;21(3):300-307.e2.


3) Cruz-Jentoft AJ, Bahat G, Bauer J, et al. Sarcopenia: revised European consensus on definition and diagnosis. Age Ageing. 2019;48(1):16-31.


4) 日本整形外科学会. ロコモティブシンドローム. 


5) 日本老年医学会. 加齢に伴うフレイルに関する提言. 日老医誌. 2014;51:345-367.


6) Ju M, Zhang Z, Tao X, et al. The impact of Pilates exercise for depression symptoms in female patients: A systematic review and meta-analysis. Medicine. 2023;102(41):e35419.

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