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  • 執筆者の写真伊牟田インストラクター


こんにちは

人生100年時代、健やかに動き続けるための身体を共創する

Physio Pilates (フィジオピラティス) 文京本郷の副代表 伊牟田です。


今回のテーマは、"脊柱管狭窄症に対するピラティスコンセプト"です



脊柱管狭窄症って難しそう…



丁寧に説明していくから安心して。しっかり学んでいこうね




100年健やかでいられる身体でいるために、学んでいきましょう!


こちらのブログに目を通されている方はすでにご存知と思いますが、脊柱管狭窄症は脊柱管が狭くなり神経が圧迫されることでさまざまな症状を引き起こす疾患です。この疾患は、腰部のさまざまな変性要因が重なることが多く、症候群として捉えた方が良いとの意見もあります。いずれにせよ、腰部や下肢に影響を及ぼし、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。


ここでは、脊柱管狭窄症の原因と、どのような身体の使い方が必要かについて述べます。


1. どうして脊柱管狭窄症になるのか?


「加齢によるものです。」


このように言われたことがある方も多いのではないでしょうか?  

膝や腰に関しても、「加齢によるもの」という説明は、間違いではありませんが、説明として十分ではありません。正しくは、「長期間にわたり腰がストレスを受けてきたため」と言えます。


したがって、過去に腰に過度の負担をかけ、ぎっくり腰を何度も経験したり、椎間板ヘルニアを患ったことがある方は、脊柱管狭窄症に移行しやすいと考えられます。


椎間板に繰り返しストレスがかかると、椎間板が変性し厚さが減少していきます。その結果、椎間板を覆っている靭帯も一緒に縮むことでたわんだり、分厚くなることで脊柱管のスペースが狭くなってしまいます。


上述の理由から、腰を反らせると靭帯がさらにたわみ、脊柱管内のスペースが狭くなります。そのため、腰を反らせる動作や、場合によっては背筋をまっすぐ伸ばすだけで、腰の痛みや下肢の神経症状が現れることがあります。


整形外科を受診した際に、「背中を丸めていると楽になりますよ」と言われ、背筋を伸ばすことに恐怖を感じてしまった、という話もよく耳にします。



2. 脊柱管狭窄症に対する運動療法のエビデンス


脊柱管狭窄症に対する運動療法は有効とされていますが、「どんな症状にどんな運動療法が最適か」という問いに対する明確な答えはまだ出ていません。脊柱管狭窄症は一種の症候群と考えられ、様々な要因が関わるためと考えられます。


しかし、「背筋を伸ばすと痛い」、「腰を反らすと痛い」といった方には、ピラティスコンセプトが有効であると考えられます。なぜなら、こうした方々の身体の使い方には、「背筋を伸ばす際に腰を使いすぎている」傾向があるからです。したがって、腰を反らせる力に頼らず、胸や股関節の動きを引き出して背筋を伸ばす能力を獲得することが重要です。



3. ピラティスコンセプトが有効だった症例の紹介


脊柱管狭窄症と診断された60代女性です。

この方の主症状は“真っ直ぐ立つことが困難”“1分以上歩くことが出来ない”というものでした。腰を反らす動きを見させてもらうと、胸や股関節がうまく使えておらず、腰で反らす動きとなっており、症状が出ていました。

まずは医師の指示のもと、運動療法の許可を得て、安全に配慮しながら介入します。

痛みによって硬くなってしまった筋肉はマッサージを行い、柔らかくすることで、運動療法を行いやすい環境をつくります。


その後、腰に負担のかからないように股関節・胸椎(きょうつい)の関節を動かしていきます。その際に注意することは、何といっても“腰は反らずにその他を動かす”ということです。

これはとてもシンプルなことですが、クッションを用いたりしながら安全面に十分な配慮を行いながら行う必要があります。


そして、真っ直ぐの姿勢が痛みなく取れるようになってきたら、さらに様々な動きを行なっていきます。この頃にはクッションを用いずとも、腰を反らずに胸の動きを行えるようになっていきます。


そうして3ヶ月間(約15回)の介入を続け、自宅でのエクササイズも適切に行なっていただくことで、真っ直ぐ立つことや背中を反らすことが出来るようになりました。

これは、腰を反らすことが出来るようになったわけではなく腰を反らす動きは抑えながら胸の背骨と股関節を適切に使えるようになった結果といえます。



最後に

これから更に高齢化が進む中で、脊柱管狭窄症と診断される方は更に増えていくと予測されます。脊柱管狭窄症のような加齢とともに増える疾患に重要なことは、単に治すという概念だけでなく、状態を正しく理解し適切に管理するという概念を持つことだと考えます。Physio Pilatesでは、理学療法士がピラティスのコンセプトを適切な運動療法として提供いたします。より多くの方が生涯を快適に過ごすことが出来るようサポートさせていただきます。



1) 大島正史:腰部脊柱管狭窄症の診断と治療 -ガイドラインを中心に-. 日大医誌 2012

2) 浅田啓嗣:腰部脊柱管狭窄症における疼痛・歩行障害に対する理学療法の効果. 徒手理学療法 2023

3) 藤田順之:腰部脊柱管狭窄症と健康寿命.  現代医学 2021

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